四国阿波 八供養菩薩霊場とは

お大師様が日本にもたらした真言密教では、曼荼羅の中に沢山の仏様がいらっしゃいます。
多くの仏様が誰かの願いに応じて救いの手を差し伸べる中、誰かのためではなく、世界そのものに安らぎや彩りを与える仏様たちがいらっしゃいます。
それが八供養菩薩です。

嬉、鬘、歌、舞、香(焼香)、華、灯、塗(塗香)の名を持つ仏様たちが、歌や舞、花や香りなどでこの世界を彩り癒します。

八供養菩薩さまは、在家の方には馴染みがない仏様たちかもしれません。
しかし、密教の修法を行う僧侶にとっては、実際のお花や灯りをお供えする(事供養)に併せて、八供養菩薩のご真言をお唱えする心の供養(理供養)は必ずといっていいほど用いられており、密教では欠かせない仏様たちです。

この度、お大師様御誕生1250年となる令和5年に、徳島県の西部、三好郡市の真言宗の8つの寺院が集まり、八供養菩薩を勧請し、「抜苦与楽」を願いとした日本で初めての八供養菩薩霊場、「四国阿波八供養菩薩霊場」を開創することとなりました。

「苦」の正体が「思い通りにならない」という心の動きなので、巡拝し、八供養菩薩とご縁をいただき、仏様に心で供養する理供を以って苦しみを離れ、安心を得る「抜苦与楽 」が当霊場の願うところです。

霊場寺院の配当は、金剛界曼荼羅の中の八供養菩薩の位置が、吉野川を挟む八ヶ寺の位置に似ていることもあり、

内(ない)の四供養

金剛菩薩 長樂寺
金剛菩薩 不動院
金剛菩薩 箸蔵寺
金剛菩薩 願成寺

外(げ)の四供養

金剛菩薩 地福寺
金剛菩薩 蓮華寺
金剛菩薩 密厳寺
金剛菩薩 瑠璃光寺

という形で八供養菩薩を配当致しました。

八供養菩薩さまの配置と寺院の配置です。
方角を合わせると、蓮華寺が金剛華菩薩となり、
華繋がりで不思議な導きを感じます。

この八供養菩薩と御縁を結んで頂くことにより、思うようにならないこの世の中で、皆様に癒しや安らぎを与えられますよう心より願っております。

Spread the love